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次世代協議会が執行部とミーティング

余暇進の若手委員と幹部理事が活発な意見交換

 

次世代協議会が執行部とミーティング

 

「古きを知り新たな創造を期待する」

 

 余暇進の内部組織で将来の担い手として理事会から高い期待が寄せられている次世代協議会(金海基泰代表世話人)は、平成29年7月11日、都内で執行部とのミーティング兼懇親会を開催した。当日は、執行部から笠井聰夫会長、金海龍海副会長、千原行喜副会長の3名が出席。参加した協議会の委員は正副会長から余暇進としての考えや取り組みの方向性を直接聞き、活発な意見交換を行った。

 最初に、ミーティングの開催趣旨について、本協議会の代表世話人の金海基泰理事から「本協議会の立ち上げは理事会決議によるものだが、それとは別に、私たち自身がこの業界の将来を考え、行動しなければならない。そのためには業界の過去を知る必要がある。また、業界全体のことや余暇進のこれからをどのように考えているのか、会長、副会長から直接お話を聞き、私たちの進むべき標をあらためて確認し、本協議会の運営にあたっていきたい」と説明があった。

 次いで、本協議会に初めて出席した笠井会長から要旨、次の通り発言があった。

 

笠井会長 業界は目下、大変厳しい状況にあることは周知の通りで、業界挙げて種々協議検討を重ねている。『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』という諺があるが、将来を展望するためには過去の経緯を踏まえて、初めて次の一歩が踏み出せる。業界は70年の歴史を持ち、産業として大きな役割を果たしてきた。現在は遊技機規則の改正が問題となっているが、今こそ国民の憩いに寄与する健全娯楽として責任を果たしていかなければならない。今はそのために汗をかく時で、しっかりビジョンを持って前に進んでいかなければならない。そして、そのビジョンは若い皆さんが描いてこそ、大きなインパクトとなって業界の進化につながる。業界における改革や刷新はそうしたビジョンが鮮明であるほど推進力となる。余暇進は団体としては小粒だが、ピリっと辛いのが持ち味で、皆さんの力で業界の先頭に立って建設的な情報、政策を発信し続ける組織にしてもらいたいと期待している。先代、先々代と脈々と事業を引き継いできた皆さんは、さらに次世代へしっかりバトンを渡すことが経営者としてのゴールである。業界の大先輩に対して、「私たちの貢献はどうです?」と胸を張って言えるように頑張ってほしい。

 

次世代4

 

自ら考え行動する経営者になって欲しい

 続いて、金海副会長、千原副会長から次の通り話があった。

 

金海副会長 今回、遊技機規則の改正案が示され、私どもの営業は大きな転換期を迎えようとしている。規則に則った営業をする私たちは、規則の内容が改正される都度、営業内容の変更を余儀なくされてきた歴史がある。余暇進は、そうした経緯を踏まえ、私たちが安定して発展していくために必要な取組みをしていこう、というのが発足の根幹にある。今はまず、パブリックコメントについて各ホールに周知を図り、従業員も含めて各自が自発的に意見を上げていくことが必要。改正案の内容を理解し、自分の意見を持つこと、そして建設的な意見を行政に届けること。その数が集まることが業界の力になると信じている。

 

千原副会長 余暇進が設立時に掲げた、業界の解決すべきテーマに遊技くぎと賞品流通の問題がある。当時、私はこの2つの問題は、どの営業者も抱えている共通の問題だと考えていた。余暇進発足時のメンバーは各々、こうした問題で思うところ、考えるところがあって集まった。しかし、平成11年の発足から今日に至るも、この問題で業界内はひとつにまとまりきれていない。その理由のひとつには、営業者自身の認識の違いがあると考えている。

 また、金海副会長が話された遊技機規則の問題では、『著しく射幸心をそそる恐れ』というものがキーワードにあるが、その具体的な数値基準はどこにあるのか、政治家に問い合わせても分からないという。カジノがある諸外国の中には最低賃金を基準とした射幸性の考え方があるが、パチンコやパチスロでも物価や遊技時間を参考に考えることは可能だろうし、そうした具体的な基準について私どもは研究し、要望していかなければならないと考えている。私どもが単なるぱちんこ屋からパチンコ産業として健全に発展するためには、そうした活動も視野に入れて取り組むべきではなかろうか。皆さんも今後、業界をどうしたいのかを考え、今出来ることを行い、あとで後悔しないよう行動して欲しい。私はパチンコは日本固有の文化、娯楽であるという自負を持って業を営んでいる。皆さんも自信を持って業に励んでいただきたい。

 

 この後、さらに両副会長は「風営適正化法とホール営業の在り方」を自らが考え、行動していくことが余暇進設立の目的であることや、遊技機規則改正に係るパブリックコメントへ意見を上げることの重要性に言及し、社会から注目される状況にあってこそ、業界内から積極的に情報を発信し、正しい理解を求めていくことが必要との認識を示した。

 続いて意見交換に移り、協議会委員から、「今回のパブリックコメントでは業界団体間での連携不足との印象があり、将来ビジョンに対する不透明感を感じる」などといった意見が出された。これに関して金海副会長は「業界団体のトップの対応で変わりがあることは否めない。余暇進は業法の制定が業界の将来に必要だと考える会員で結成された。その実現に向けては他団体との協調が不可欠だ」と述べた。また千原副会長は「意見の違いを避けるのではなく、向き合うことが大切。業法については他団体の中でも理解を示す人は少なくない」と述べ、余暇進の考えや活動内容を広く周知し、呼び掛けていくことが大切だと指摘した。

 また、笠井会長は「成熟社会における娯楽産業は非常に重要な存在で、それに携わる経営者には責任がある。時代に応じて守るべきは守り、改むべきは改め、経営者としての信念を堂々と社会に発信することが大切だ。射幸性などの問題についても、現場の実態を踏まえて積極的に議論に参加すべきだ。世の中は早いスピードでどんどん変わっている。これまでの価値観や経験では解決できない問題が数多くあることを認識すべきだ。昔を知ることは新しいものを創造し、過去を超えて行くため。そのためには問題意識と危機感をもつことがなにより大事だと述べ、次世代協議会のメンバーに対して熱い期待感を表明した。

 

次世代3

地域と社会全体のバランスを考えた行動を

 全体ミーティングの後、会長・両副会長はそれぞれのテーブルに分かれて座り、協議会のメンバーと懇親を深めた。いずれのテーブルでも、話題になったのはやはり遊技機規則の改正案で、さらには地域社会で果たすべきパチンコ営業の在り方や社会とのコミュニケーションの取り方など、協議会のメンバーが日頃思う点や感じていることを執行部に問いかけ、その意見を熱心に傾聴する姿がみられた。

 規則改正の関係では「射幸性の抑制は理解できるが、それが依存問題のクリアにつながるようには思えない」といった問いかけに対し、千原副会長は「依存問題への対応は確かに重要だが、現状はパチンコ・パチスロアドバイザーを各店に置くことなどの施策で対応している。他の公営競技と比べ、業界は進んだ取り組みをしているが、社会や政治家の方々によく知られていないこともあって、逆に誤解を生じさせている点があるように見受けられる。業界からしっかりと情報を発信していきたい」と答えた。

 また、遊技機規則の改正案の内容について意見を求められた金海副会長は「まずはパブリックコメントに意見を出すこと。行動することが大事」、「射幸性の抑制という点でいえば、例えばリミッターを超えたらその台のその日の営業はできないとするものでもいいと思う。その代わりに細かい規則は設けないといった具合で、これならばもっと短時間で遊べる遊技機が増えるのではないか。あくまでも一例だが、こうした遊技機論をもっとホールやメーカーなどの団体間で率直に話ができればよいと思う」と述べた。

 さらに、地域社会におけるパチンコ営業の在り方について、委員からは「立地やロケーションによって客層が大きく違う。射幸性の問題が取り沙汰されているが、来店されるお客様の動機は各人各様だ。のめり込み問題は確かに存在するとはいえ、一般マスコミなどで報道される内容は実態以上に大きく伝えられているように感じ、困惑している」といった指摘に対し、千原副会長は「会長も話されるように、こうした問題でも正しいと思うことは進んでやることが大切ではないか。地域に密着し、企業の社会的責任を果たすことは、その立地のその店舗だからできることがあるはずだから」、「マスコミの報道や国会議員の質問の内容に誤解があれば訂正を求めていくことも必要だ。誤解された情報が独り歩きしないよう、普段からコミュニケーションをとることも大切だが、昨今の業界はそれが足りていないと感じている」と述べた。

 また、金海副会長は「これから皆さんが創造していく店舗での具体的取り組みについて、私が意見すべきものはない。ただ、余暇進の業法案では納税による社会貢献という考えがある。パチンコ業界が存在すること自体が社会の役に立っているという状況を作り上げることが、業界の将来につながるとの思いを持って取り組んでいきたい。皆さんにはその点の理解をして欲しい」と述べ、業界全体を念頭に置いた行動の必要性を述べた。

 さらに、「今回の規則改正が依存対策になるのか、それにより業界の地位向上があるのか」と疑問を投げかけた委員に対し、笠井会長は、「今回の規則改正の良し悪しは短期、長期の視点によって評価が分かれるかもしれない。目下の営業環境といった短期的な視点では間違いなく厳しくなるだろうが、遊技業界とIRの棲み分けのための方策と受け止め、いまここまで踏み切らないと長い目で遊技業界は守れない状況にあるんだという見方もあり得る。いずれにせよ、まずは経営者として、今後どうしたいのかというビジョンを持つことが大切だ。これまでの慣れや営業手法を継承するだけでは先々の困難や壁は乗り越えられない。業界としての将来的な課題を先取りし、その解決に向けて若い経営者ががむしゃらに突進していくことが一番重要だ」とエールを送った。

 

(平成29年7月11日/東京都文京区・後楽園飯店)

(平成29年7月11日/東京都文京区・後楽園飯店)

 

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