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10月度部会を開催しました

開催日:平成29年10月17日(火)

会 場:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(東京都千代田区)

来場者:106名

 

 201710全景

 

 一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京都千代田区の在日本韓国YMCA アジア青少年センターにおいて、第164回理事会ならびに平成29年10月度部会を開催した。

 

 この日の部会では、会員プレゼンテーションとして株式会社DMM.comから情報サービス事業「DMMぱちタウン」について、エス・ピー広告株式会社からホールにおける広告宣伝活動に関する話を聞いた。

 また講演として株式会社アミューズメントプレスジャパンの田中剛執行役員を講師に招聘。「IRとパチンコ産業」のテーマで、国ごとに特色のある海外カジノの紹介から、国内IR誕生がもたらすパチンコ産業への影響などについて語った。

 

会員プレゼンテーション

201710プレゼン登壇者

株式会社DMM.com 高津弘行アミューズメント事業部営業統括部長(左)、エス・ピー広告株式会社 戸田康夫執行役員営業部長(右)

株式会社DMM.com「DMMぱちタウン」

 株式会社DMM.comが手掛けるパチンコ・パチスロ向け情報サービス「DMMぱちタウン」は、同社が提供するスマートフォン向けアプリケーションをはじめ、多様なweb閲覧環境に対応した情報媒体で、2013年8月のサービス開始から、これまでにアプリのダウンロード数は170万以上に上っている。提供されている情報は遊技台情報や店舗紹介、これらに関連する様々な楽しみ方を活字や画像、動画等を用いエンターテインメント性を重視したコンテンツを配信している。

 今回、DMMが紹介したぱちタウンの新商材は「ぱちタウン@」と「ジオプッシュ」、「アンケートポップ」という、いずれも今年9月にリリースされた機能。例えばぱちタウン@はLINE@を活かし、ユーザーが指定した興味のあるコンテンツにDMM側が自動生成したコメントを返信し当該店への関心を誘導するというもので、SNS時代を反映したサービスとなっている。

 

エス・ピー広告株式会社「今後、ホールに必要な販促活動」

 エス・ピー広告株式会社は各種メディアへの広告物の制作からメディアミックス・クロスメディア展開のプランニング、キャラクターライセンス、EC事業なども展開する総合広告代理店。今回のプレゼンテーションは、過渡期を迎えるパチンコホールの今後の集客戦略について、ブランディングマネージメントを中心に傾注すべき販促策を提案した。

 ブランディング意識した営業活動を推す理由には、少子高齢化による人口減少は店舗の拡大路線から個店強化が重要になるということや、遊技機性能も射幸性や機種構成による差別化が難しく、それだけではユーザーの選択を促しづらい現状が予想されることから「パチンコで遊ぶなら〇〇店」と選んでもらえるよう、イメージ戦略が重要と捉えているため。同社の戸田執行役員はブランディングの遂行に必要な取り組みを解説した中で「ブランディングのポイントは〝コンセプト〟だ」と述べ、質実的な満足を提供する上で、取り組む内容と行動がコミュニケーションアドやCIに結び付いたものであることが大切だと語った。

 

講演 「IRとパチンコ産業」
講師:株式会社アミューズメントプレスジャパン 執行役員 田中 剛 氏

 

株式会社アミューズメントジャパン 田中剛執行役員

株式会社アミューズメントプレスジャパン 田中剛執行役員

 

 パチンコ・パチスロ産業の業界誌「月刊アミューズメントジャパン」などを発行する同社の田中剛執行役員を講師に招き「IRとパチンコ産業」との演題で講演を聴いた。

 月刊アミューズメントジャパンはパチンコ・パチスロ産業を取り上げる業界誌ながら古くから海外カジノに関心を持ち、独自に取材・掲載を行ってきた媒体で、田中氏は数多くの海外カジノを現地取材してきた経験を持ち、今般、国内でIR(カジノを含む統合リゾート)の建設が現実化してきた中で、パチンコ産業との関係性を起こり得る可能性の示唆と、それに対する備えを促した。

 田中氏は「国内にIRが誕生すれば、パチンコ産業と競合が起こる」と冒頭に所感を示した。取材で赴いた数多くの海外カジノの特徴を画像で紹介しつつ、国内カジノの誕生はパチンコ産業にとって集客上の営業面だけでなく、経営の礎である人材の奪い合いが生じてくるだろうと予測した。

 まず集客上の相関について、同社が実施した余暇に関する大規模アンケートの調査結果について内容を報告。パチンコ・パチスロプレイヤーが、レジャーに対して刺激を求める傾向や運の要素を楽しむ傾向は成人全体の平均よりも高く、カジノができた場合の参加意向は全体よりも非常に高かった点を紹介。「カジノへ定着するかは定かではないが、現行プレイヤーの一定数はカジノへ参加することは間違いない。その際、消費された金額が多ければ、その分、パチンコへは参加できなくなるだろう」と言及した。またカジノが富裕層をターゲットにしたビジネスモデルであるというイメージについても、先に紹介した海外カジノの取り組み事例では、ターゲットは多様化しており、海外のカジノオペレーターが見る日本市場は「中間所得層を魅力的と見ており、カジノ産業は、残された数少ないフロンティアのひとつと見ている」との情報も紹介。

 もうひとつ起こり得る可能性がある現象として人材があると田中氏は示唆した。日本国内で「雇用の創出」を掲げるIRが誕生した場合、その周辺地域のサービス産業では深刻な人手不足が起こると考えられる。この他、アルバイトの採用や派遣従業員についても全国で募集が展開され、IRの立地と距離を問わず労働力不足の要因になりかねないとのことであった。