鍛冶博之先生 総会講演録(抄)

2016年7月22日

平成28年5月17日開催の当協議会定時社員総会にて、ご講演をいただきました徳島文理大学の鍛冶博之先生の講演録(抄)を「平成28年度 定時社員総会」の記事においてご紹介しております。
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一般社団法人余暇環境整備推進協議会

平成28年度定時社員総会 セミナーの部

 

講演者:徳島文理大学総合政策学部 鍛冶博之 様

日 時:平成28年5月17日午後4時10分~5時15分

 

タイトル「パチンコ産業史に魅せられる~私の研究履歴~」

鍛冶先生1

本日はお招きいただきありがとうございます。本日の講演では主に次の3点(これまでの研究内容の概略、研究活動を通じて体験したこと、業界に訴えかけたいこと)を中心に話を進めたいと思う。

1.大学院での研究活動と体験
なぜ私がパチンコ企業史の研究をスタートさせたのかについてだが、それは大学3年の就職活動でパチンコ企業に関心を抱き、面接の練習がてらという軽い気持ちで受けたことがきっかけだった。しかし、そこではじめてパチンコ業界が健全化に真剣に努めていることを知り衝撃を受けた。特に健全化のひとつとして新卒採用を始めている企業があることに驚いた。2000年代はじめのことなので、それほど多くのパチンコ企業が新卒採用を行っていたわけではなく、そこに新鮮さを感じた。実際にいくつかの企業説明会に参加し、パチンコ業界は本当に健全化を目指しているのだなということを感じた。
振り返ると、新卒採用のみに関して言えば、大学生向けの就職説明会という場はものすごく大切だと今なお強く思う。それは大学生が初めてパチンコを企業として捉え接する場であり、学生はそこで企業が健全化に本気で取り組んでいる事を知るのであるから、就職説明会では如何に学生をひきつけられるかが非常に大きなポイントになる。私が日ごろ接している学生から話を聞くと、パチンコ企業への就職を考えたきっかけとして、圧倒的多数の学生が企業説明会を挙げている。この点をぜひ、業界の方々には強く意識していただきたい。
私がパチンコ企業の面接で惹きつけられたポイントは、新卒採用で本当に人材を育成しようという気持ちが伝わってきたことだ。一般企業の面接では、具体的にどのようなステップアップが用意されているのが抽象的なことが多かった。これに対してパチンコ企業では、入社後の方針を企業理念とともに、明確かつ詳細に伝えてくれる企業が多かった。この業界が本気で変わろうとしていることを実感した。
ただ今でも、パチンコ企業が持つ「変わろうとする本気」が社会には十分伝わっていない。私自身も就職活動で知り得たパチンコ企業の本気を親に伝え相談したことがある。予想どおり反対された。「大学にも行って、なんでパチンコなんだ」と。今でもそういう家族は多いだろう。学生に聞いても私と似たように反対されたという話を聞いている。最近のパチンコ企業では学生の自宅を訪問して両親を説得するという事例もあると聞く。
最大手といわれる企業の採用試験に参加した際は、選考途中の段階で泊りがけの研修があり、その企業の研修システムや考え方に驚いた。

これら就職活動を通じて、私はパチンコ企業に入って勤めるよりも、企業研究を行いたいという気持ちが強くなった。そこで大学院へ進学した。私は経営史や商業史に興味があったので、それに関連することを研究したいと考えた。その上で、先行研究がそれほど見られない分野のものをチャレンジしたいと思った。幸い、パチンコ業界の先行研究はほとんどなかった。指導教授と相談し、業界健全化の流れを研究できないものかと思い研究を開始して今に至る。特にパチンコホール企業の研究を進めた。
パチンコ企業に注目した理由は、健全化に力を入れていたこと。そして、大学院生時代に研究のための問い合わせを行い、しっかり応答してもらえたのがパチンコ企業だったからである。こうしてパチンコ企業からの資料が揃い、どうにか修士論文を作成できた。
その後、パチンコ企業に関する研究活動を本格化させ、学会で発表する機会がもらえるようになった。マーケティングや人材の獲得育成などをテーマに発表させてもらうようになったが、学会での評判はイマイチであった。学会では報告内容に即した質問を行うという基本があるが、学会に参加された先生方の中には、そもそもパチンコを知らない方が多いことから、「パチンコ業界自体がどういうものなのか」という質問を受けることがあった。どのような質問かというと、例えば「日本におけるカジノの有効性とパチンコとの整合性について、鍛冶先生はどう思いますか?」と、私も知りたいような質問をされる。また「パチンコの将来性を歴史的観点からどう捉えられているか?」など、その場でなかなかすぐに答えられない質問をいただいたり、「パチンコの闇の勢力について教えてほしい」など、何か戦う存在がいるかのような質問を受けたりすることもある。このように発表内容から的ハズレな質問がみられた。ひどい場合は質問がないケースすらあった。
「的外れな質問」はまだ質問して下さるだけマシである。私がつらかったのは、私の報告内容を信じてもらえないことがあったことだ。さらに学術研究では混沌とした内容や事柄をある一定の基準で整理することが求められる。当然私は、パチンコ業界の健全化を私なりに整理し報告するのだが、「そんなに綺麗に整理できるのか。本当か」と問われることもあった。学会に参加された先生方のなかには、「パチンコは混沌としていて、曖昧で、よくわからないものだから、学術的な整理はできない」と思っている方が多いように感じた。ある意味、先生方の知らない事なので、仕方ないと言えばそれまでかとは思う。
学会以外でも大学院の先輩にパチンコ企業研究の意味やニーズ(需要)について問われたことがある。学術研究に意味や需要は関係ないと思っているが、「社会に役立てられる研究なのか」と聞かれた裏には、パチンコ産業研究は役に立たないのではないか、他に研究すべきことがあるではないか、という真意があったのだろう。

ここまでは経験談であるが、私が研究活動を通じて感じた〝高さ〟がある。ひとつは「パチンコに対しての関心が非常に高い」こと。これは産業史や商業史という観点ではなかなか知られていない分野であるためと言える。大学の先生方にとってパチンコは新鮮で斬新な研究テーマであり、しかも「身近にあるのに、我々がよく知らないものだ」との感想を抱かれているようである。また昔の先生方自身のパチンコ体験と比較され、私へアドバイスしていただくことも少なくない。
もうひとつは「パチンコを学問のまな板にのせる事への抵抗感の高さ」である。最近は若干マシになったと思う。特に私が拙著出版させてもらって以降は、少なくとも文句の類のお話はなくなったと思う。それでも、パチンコを学術的に取り上げることへアレルギーのある先生がいる事は知っておいていただきたい。
私の研究人生で報われた事がないのかと言えば、本日この場にお呼びいただき、業界の方へ直接お話をする機会をいただけたことであり、非常に喜びを感じている。

2.勤務校での研究活動と体験
2008年から某大学の非常勤講師に採用された。その際に忘れられない思い出がある。履歴書には研究業績としてパチンコ産業研究と商品研究を交えて提出したのだが、その大学の先生から「研究業績の中にパチンコが含まれている。あなたがパチンコを研究している事が教授会で議論されると、ちょっといろいろ厳しいし面倒くさい。パチンコの業績を削除し商品の論文だけを掲載して再提出してほしい」と連絡を受けた事があった。大変びっくりした。経歴詐称になるのではないかとも思った。それでも修正に応じ、どうにか採用されたわけなのだが、採用後、修正を求めてきた先生から連絡があり、お礼とともに「あなたの将来を考えたら、パチンコの研究はやめて普通の研究テーマにしたらどうか」と薦められた。私としては、パチンコ業界にやましいことはないと強く信じているが、それでも学術としては認めたくないという意識を持つ学術研究者がなかにはいるということを再度強調しておきたい。
世の中の現象はすべて学術の対象になる。パチンコもしかりである。しかし先行研究が少なく、学術になりにくい業界には特徴がある。ひとつは公表資料が少ないこと。したがって学術の土台に乗りにくい。もうひとつは社会的認知が高くないこと。これも学術として捉えられ難い。パチンコ産業の場合、残念ながらこれら2つが両方ともあてはまる。
業界を活性化し健全化を促すためには、遠回りになるだろうが、パチンコを学術の土台の上に乗せることへの抵抗がなくなるようにしていくことも、目指すべきひとつの方向なのではないか。

2010年に徳島文理大学に就職した。採用の際、理事長からパチンコの研究をしている事を話題に出されたが「非常におもしろい、深めてください」とうれしい励ましをもらった。
私の研究室にはいろんな学生がやってくる。私がパチンコの研究をしていることもあって、パチンコ好きの学生も多く来てくれて、いろんな話を聞かせてくれる。そこでこの学生たちに「なんでパチンコをするの?」と質問したところ、答えは、「暇つぶし」とか「なんとなく」が多い。そういう話を聞くと、明確な理由はないが、結果としてパチンコホールへ足を運んでいる事実があり、そこには必ず何かしら理由はあるはずだ。最近の遊技機のゲーム性については「難しくなっている」との話をよく聞くが、一方、私が知る学生からは「遊び方が難しい」といった話を聞かない。ゲームに慣れた世代だからだろうか。少なくとも大学生をパチンコホールへ誘導するためには、「それ以外の理由」が重要である。また、学生は意外にも時間や予算など計画性をもって遊んでいる。そして最初から金儲けを目的とせず、それ以外の目的があるようだ。
しかしいずれにせよ、訪問動機はモヤッとしている。そこを明確にする必要がある。彼らは単にパチンコがしたいからパチンコホールへ行っているわけではないと私は感じる。おそらく「ふらっと」「日頃から」「何気に立ち寄れる」「レジャー空間」もしくは「生活空間」としてパチンコホールの空間を捉えると、パチンコホールの在り方の多様性が増すのではないか。そうすればパチンコホールは、パチンコをすることをメインとして提供するのか、むしろサブで提供する要素として位置づけ空間を構築していくのか、とパチンコホールの在り方を考えていくこともできよう。
逆にパチンコをしない学生の答えは明確である。「イメージが悪いから」「自分の価値を下げるから」「家族でパチンコをする者がいないから」などのマイナスイメージが先行している。しかしこれもまた、パチンコホールへ行かない理由としてはモヤッとしている。

パチンコ業界はマイナスイメージの払拭に努めているが、私が見て来た限り、マイナスイメージが先行する状況にプラスイメージを加えようとすると、かえってマイナスのイメージを増幅する事態になりかねないように思う。
またこれまでパチンコ業界では、射幸性の甘い遊技機の設置、新卒採用、人材教育、情報公開、CSRなどに取り組まれているが、こうした戦略がはたしてマイナスイメージの改善につながっているのかを、今一度考え直してみても良いだろう。これらの戦略が間違っていると言いたいのではない。イメージ改善に向けた有効な戦略であるとは思う。しかし業界の健全化に向けて、いかにイメージを変えていくのかを考えることも重要であろう。その意味でこれらの戦略が本当にイメージを転換させる効果を有してきたのかを検証する時期にあると思っている。
そこで次の二点を提案させていただきたい。ひとつは、「若い人たちに如何にパチンコで遊んでもらうのか」が重要であることから、それを見出すための方法として、大学生を対象とした大規模調査を実施すべきことである。パチンコを「商品」と考えた場合、商品の普及を担うのは若者であり、若年層の受け入れ方如何によって商品寿命やヒット性が変化する。これは商品理論や普及理論の見地から言えることだ。大規模調査を実施することによって、私としては、はっきりと答えを出せなかった上述の〝モヤッ〟とした賛否の理由を明らかにできるのかもしれないと考える。
もうひとつは、改善施策の準備段階として、他産業における成功事例や失敗事例を見てみる事が必要だということである。ギャンブルであれば、競輪・競馬のイメージ戦略とその効果や経過を知ることなどである。芸能タレントの場合、TV視聴者ら社会からの当初のイメージがキャリアの変遷で変化することが多々見られる。その変化の要因が何であったのか、などが分析対象の事例になり得る。組織のイメージは人が生み出す。考察対象を個人の人間にまで落とし込み、イメージの良し悪しを測ると、実はそれが組織経営や業界イメージを考える上でヒントとなる。
これらの調査をするにあたっては、大学所属の研究者を必要とする場面もあると思う。大学の教員には長時間かけて学術的考察することが職業上認められている。また第三者としての視点もあるので、業界には学術有識者の協力を得て時間をかけて取り組んでいくことも考えてもらいたい。
私の研究は、パチンコ業界の健全化に関する歴史的なことを調べることである。過去には、大学のパソコンへ「パチンコを擁護するのか」と一般の方からメールが届いたことがあった。非常に驚いたが、擁護や否定のために研究しているのではなく、私は今の状態を学術的に見たいと純粋に思って活動している。
業界関係者にあっては、「業界を発展させたい。より良くしたい」との想いが強いだろう。極論だが、私にとっては仮にパチンコが無くなったとしても、パチンコは研究テーマに十分なり得る。おそらくそのときの私の研究テーマは「なぜパチンコは無くなってしまったのか」を学術的に見ることとなるだろう。したがって私は決してパチンコ業界の取り組みを擁護しようというつもりで研究しているのではない。一方で社会にはパチンコ廃止を強く主張される方もいる。私はそれを一概に否定するのではなく、なぜそのような意見が出て来るのかを考える公平な立場にいたいと考えている。
業界の皆さまに自信を持ってもらいたい事は、「それでもパチンコは存続している」ということだ。「商品は社会に従う」という命題があるが、世の中に存在する商品は、売買の有無や程度だけでなく社会が受け入れているから存在している。これはすべての商品に当てはまることだ。パチンコという商品は批判や否定されていても、社会から必要とされているレジャーであると言える。だからこそ、業界は生き残っているし、今後も生き残るだろうと考えている。

3.拙著の出版から一年が経過して思うこと
私は2015年3月に『パチンコホール企業改革の研究』(文真堂)という本を出版した。それまで執筆してきた論文や記事をまとめたものだが、欲張った結果、400ページを超える本になってしまい、市場性がない価格付けになってしまった。絶賛(?)発売中なので買っていただきたい。
内容は、パチンコ業界のイメージアップと業界健全化の実現に向けて、1980年代以降から現在までのパチンコホール企業の取り組みと成果そして課題についてまとめている。内容の詳細はご笑覧いただくとし、ここではこの本を出版して現在に至り、私が業界にとって必要だと感じていることをお話させてもらう。

まず1点目。パチンコ業界が使用している「健全化」という言葉の定義が必ずしも明確になっていないことである。学会での発表でも「業界を健全化するとはどういうことか」と質問を受けることがある。研究の都合上、どうしても意味づけが必要だったので、健全化という言葉自体を調べてみたが、なかなかいい意味が見つからない。パチンコ業界や警察庁が使用している「健全化」の意味を推察すると「順法営業に徹して、のめり込み問題、不正改造遊技機、賞品問題の改善・解決をしていくこと」となろうかと思う。
しかし、私は研究を進める中で、健全化という言葉をもう少し広く捉えるべきではないかと考えた。そこで健全化とは「長年にわたって定着してきたパチンコ業界に対するマイナスイメージを改善していく事である」、さらに「それによりパチンコを社会的に支持されるレジャーに回復をさせていくこと」と私なりに定義して使用している。
なぜそのように広く設定したのかというと、順法営業やのめり込み対策、遊技機の不正改造の排除、適切な賞品提供を徹底さえすれば、本当にパチンコのイメージ改善はできるのかと考えたためである。
私は健全化のための最終目標は「実態をともなった良好なイメージを作り上げること」だと思っている。しかし問題は、「パチンコ業界として」の健全化という言葉の意味を具体的にどう意味づけているのかがはっきりしないことである。つまり、パチンコ業界の将来像やビジョンが必ずしも明確ではなく、そのために健全化という言葉だけが乱用されている部分があるように考えている。業界の将来像、ビジョン、目指すべき方向が不明確なままでは、そこに至るまでの戦略も不明確にならざるを得ない。警察庁による行政講話の中でしつこく健全化という言葉が繰り返し使われている背景には、こうしたことがあるからではないかと私は想像している。
このことから私は、パチンコ業界の中で「目指すべき方向性」というものを共通理念として掲げるべきなのではないかと考えている。更には、健全化の内容を具体的に細分化することも重要であり、その実現に向けて、どこが(誰が)・どの点を・どの時期までに・何をしていくのかと方向性を明確にするべきである。また、健全化に対する客観的評価も欠かせない。その際は、業界「外」の視点から評価する必要があり、外部審査が必要だろう。外部審査は現在でも取り組まれているだろうが、もっと積極的に行っていくべきである。なぜならパチンコ業界は、外部から評価されても決して恥ずかしくない業界であるからだ。健全経営を徹底している企業が数多く存在するのがパチンコ業界であり、恥ずかしがることは何もない。外部にどんどんアピールし、外部の評価を得、社会的評価も高めていくことは決しておかしな戦略ではない。

2点目として、プラス・マイナスの両面で「イメージ」の具体化が必要なことである。先ほど述べた通り、健全化の最終目標は良好なイメージ形成であろう。そのためには、パチンコに対するイメージの実態を把握することが必要であり、これは私自身の研究テーマでもある。例えば、「何をもってしてマイナスイメージなのか」といった点だ。そこを踏まえ具体的な戦略を立てることが大事であろう。
戦略を立てるにあたっては、まずは従来から業界が抱える構造的課題に対して解決を図る努力を惜しまないことである。この点は業界関係者が長年取り組まれている。さらに、「新たなイメージを定着させるための新しい戦略」を構築し実践していくことであろう。残念ながら私にはまだそのイメージがなく、ここでその具体案を申し上げられることができない。ただ、様々な商品史研究に携わってきた立場から申し上げるなら、まずは様々な分野・企業・個人のイメージ戦略を徹底的に分析し、その中での成功、失敗、経過中の事例にわけて汲み上げることが、この業界の戦略構築のヒントになるはずである。

3点目として、学術分野からのアプローチが重要であることである。パチンコはまだ学術的接点の低い業界である。確かに1984年には加藤秀俊さんが『パチンコと日本人』という本を書かれている。読まれた方も多いだろう。大阪商業大学の谷岡一郎先生も多くのパチンコ、ギャンブル、カジノに関する著書を数多く出版されている。冊数は少ないながら、これらの学術研究の傾向を測ると、ある一定のブームが去って、それが落ち着いた頃に「パチンコを振り返ってみよう」といった機運が高まっているように思われる。まさに今のタイミングこそ、パチンコの多角的な学術研究を進める上で良い時期ではないかと感じている。
パチンコの学術的な考察を促すためには、まずは既存の学術分野である経営学や商品学などとの接点を持つことである。そのことが将来的な、パチンコを含めたギャンブル論・ギャンブル学というものの確立に繋がるのではないか。あと可能ならば教育を通してギャンブルを(ギャンブルという言葉が使えないのであれば、人生の選択を)教えていくことも必要ではではないか。
パチンコ業界は従来から射幸性対策を行ってきたが、それとは別に射幸性がもたらすマイナスの影響を教育によって低減させ、またマイナス面が露呈した際にうまく抑え込めるような対策も組み込んでいく必要がある。

4点目として、パチンコ業界を研究する専門家が少ないことである。この業界を専業する研究者だけではなく、他の業界も研究し比較検討できる研究者を業界内で育成していくような取り組みがあっても良いのではないか。
その際にパチンコを歴史的観点からみることも大切だと思う。業界が歩んできた道(史的展開)を一度振り返り、過去と今と未来を本格的に考えていく機運を作り出してはどうだろうか。かつての企業経営研究では財閥系企業や大企業を取り上げるものが多かった。しかし昨今は、身近な商品や中小企業を研究テーマとして取り上げる傾向が高くなっている。パチンコはまさに身近なサービス商品であり、今の学術研究の風潮に非常に合ったテーマである。パチンコを学術研究の土台に乗せ、客観的観点から実態解明に取り組む時が来ている。

4.おわりに
パチンコは「巨大なマイナー産業」と言える。言葉としては矛盾しているが、数字で表れるものは売上から就労人口まで大きく「巨大」であることは間違いない。しかし社会的に認知され良好な認識を得ているかというと疑問であり、その意味で「マイナー」な産業であると言える。
今後やるべきことのひとつは「業界人の一致団結」である。現状と課題を事実として受け入れ、マイナーな状況からの脱却のために邁進していく姿勢を示すことが今後いっそう大事になる。
パチンコ業界は非常に魅力ある存在だと感じている。皆さまのご努力に期待している。

鍛冶先生2
会場:インターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区)
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