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令和元年6月度部会を開催しました

会 場:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(東京都千代田区)

来場者:93名

 

 6月11日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京都千代田区の在日本韓国YMCA アジア青少年センターにおいて、第183回理事会ならびに6月度部会を開催した。
 今回の部会では株式会社遊技通信社代表取締役社長の伊藤實啓氏(中小企業診断士)を講師に招き「これまでとこれからの、遊技場経営企業のあり方」と題した講演を行った。伊藤社長の講演では「中小パチンコ店のあるべき姿とは何か」をテーマのひとつに、地域に根ざした遊技場の価値について着目した話などを聞いた。
 このほか、会員プレゼンテーションとしてダイコク電機株式会社からホールコンピュータの新製品「X(カイ)」の紹介があった。「Χ」は収支管理関連機能の向上はもちろん、同社の製品・サービス群から得られる様々なデータをも活用したAIが特徴となっている。

プレゼンテーション ダイコク電機株式会社
ホールコンピュータ新製品「X」

ダイコク電機株式会社 営業企画部 営業推進課 営業推進係 一柳和也 氏

ダイコク電機株式会社 営業企画部 営業推進課 営業推進係 一柳和也 氏

 

 ダイコク電機株式会社からホールコンピュータ新製品「X」の紹介があった。担当は同社営業企画部の一柳和也氏。本製品では、同社が提供する情報ソリューションである「DK-SIS」、「モードデータ」、「ファン動向」、「商圏分析」、「会員情報」、「顧客対応情報」など数々のデータを総合的に分析するAI「オートコンサル機能(Xai-TACT)」を搭載している。コンピューターがひとつの答えを示すことで「様々な局面において、一つの解を提示してくれる新時代のパートナーとなる新型ホールコンピューターです」(一柳氏)と本製品の魅力を伝えた。
 このほかプレゼンでは本製品が生み出す3つの革命として「データ革命」、「ファン革命」、「ワーク革命」と銘打ち、プロモーション映像を使いながら、導入効果に関するアピールが行われた。

 

講演「これまでとこれからの、遊技場経営企業のあり方」
講師:株式会社遊技通信社 代表取締役社長 伊藤實啓 氏

株式会社遊技通信社 代表取締役社長 伊藤實啓 氏

株式会社遊技通信社 代表取締役社長 伊藤實啓 氏

 

 株式会社遊技通信社代表取締役社長の伊藤實啓氏(中小企業診断士)による講演を傾聴した。冒頭、伊藤氏はパチンコホールが立地に要因の強い店舗型事業であることを念頭に「経営者は企業の存続、事業の継続性について社会情勢や経営環境の変化に敏感であって欲しい」と参加者に呼びかけた。具体的には、少子化、高齢化といった人口構造の変化のほか、蓄電池技術の向上をはじめとした石油エネルギーからの転換が予想されるエネルギー革命、今は5GやIoT、AIなどが話題のIT革命、そしてキャッシュレス決済の普及など、既存の事業フォーマットを形成する各種要因に大きく影響を与えることになる事柄を挙げた。変化の訪れとその影響を予測できなければ事業の継続性が危ぶまれるためだ。
 そして伊藤氏は中小企業診断士として、中小パチンコ店のあるべき姿を中心に考察をする中で、パチンコ・パチスロ遊技が持つ「射幸性」という価値を前面に押し出した営業形態に頼りきった市場競争にも疑問を投げかけた。今後は、「遊技機中心の射幸性という価値だけではなく、遊技客がパチンコ店に求める様々なニーズを満たす、遊技客の潜在欲求に応えることがパチンコ店には必要だ」と話し、パチンコ店の価値を「射幸性」と「社交性」の2軸で分析した図表を示した。そのうえで、パチンコ店が地域の社交の場として成立するための要件として、「店外から店内が見えるつくりの店舗がどんどん減っている」、「長年遊んでいる人しかわからないような遊技の仕組み、遊技機のゲーム性になっている」、「遊技機以外にどのような店であるのかというメッセージ性が乏しい」など、近隣住民や地域社会との親和性が依然として足りていないことを指摘した。
 そのうえで、企業経営者が知っておくこととして、国や自治体によるいくつかの施策を紹介した。なかでも、厚生労働省による助成金はパチンコ店経営企業でも利用できることから、検討を呼びかけた。
 さらに、自社や自店がどのような姿の企業やパチンコ店になりたいのかを構想する重要性について、「自らで課題を解決する地力をつけることがこれからは求められる。経営環境の変化に対応できる組織とは、仮説・検証・データの積み上げを絶えず行い、常に課題を克服する地力を持った組織のことである」と述べた。勘・経験・度胸による経営からの脱却を呼びかけ、課題を発見し解決するための方法としてフレームワークの活用(3C分析、SWOT分析、PDCAサイクルなど)を紹介するとともに、社史編さんによる自社分析を勧めた。

 

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